いのちを守り、支え合う!小学校社会(防災・福祉)の授業設計

学校

1. 授業の基本構成

導入(5~10分)

前時の復習

  • 前回学んだ防災や福祉に関する内容を振り返る。
  • 「もし災害が起こったらどうする?」「困っている人を助けるには?」など、問いかけを通じて考えさせる。
  • ニュースや実際の災害事例を簡単に紹介し、身近な問題として意識させる。

興味を引く導入

  • 地震や台風の映像を見せ、「どんなことが起こる?」と考えさせる。
  • 身近なバリアフリーの例(エレベーター、点字ブロックなど)を観察し、「これは誰のため?」と問いかける。
  • 児童自身が体験した災害や困った経験を共有し、授業のテーマにつなげる。

2. 展開(25~30分)

防災と福祉の重要性を学ぶ

防災の基礎知識

  • 災害の種類と特徴:地震、台風、大雨、火災などの違いを学ぶ。
  • 災害時の行動:「地震のときはどうする?」「避難するときに気をつけることは?」を考える。
  • ハザードマップを活用:自分の住んでいる地域の危険な場所や避難所を調べる。

福祉の大切さを知る

  • 福祉とは何か?:「困っている人を助けること」として、身近な例を挙げる。
  • 福祉の現場を学ぶ:福祉施設や福祉サービス(介護、手話通訳など)を紹介する。
  • バリアフリー体験:車いす体験やアイマスク体験を通して、不便さや助け合いの大切さを実感する。

グループ活動・調査

  • 防災マップ作成:学校や地域の安全な場所・危険な場所を地図にまとめる。
  • 「やさしい町づくり」アイデア発表:どうすればみんなが暮らしやすい町になるか、児童が考えを出し合う。
  • 避難訓練の振り返り:「もし一人だったら?」「近くに高齢者がいたら?」とさまざまな状況を考える。

3. 終末(5~10分)

まとめと振り返り

  • 「今日学んだことで、特に大切だと思ったことは?」と問いかけ、児童に発表させる。
  • 「防災と福祉はどんな関係がある?」を考え、防災のときの助け合いの大切さを伝える。
  • 次回の学習につなげる問いを投げかける(例:「自分ができる防災・福祉活動にはどんなものがある?」)。

宿題や自主学習の提案

  • 家庭の防災チェック:「家の中で安全な場所を探そう」「避難リュックに何を入れる?」
  • 地域の福祉活動を調べる:「近くの福祉施設にはどんな仕事をしている人がいる?」
  • 防災ポスター作成:「みんなに伝えたい防災のポイント」を絵や言葉で表現する。

4. 授業のポイント

防災・福祉の学びを楽しくする工夫

  • 防災訓練やバリアフリー体験を通じて、体験型の学習を取り入れる。
  • アニメや絵本を活用し、小学生が親しみやすい形で学ぶ。
  • 自分ごととして考えられる問いを投げかけ、主体的な学びを促す。

児童の理解を深める指導

  • 災害時の行動を具体的にイメージできるようにする。
  • 「助け合いが必要な理由」を具体例とともに伝える。
  • 児童同士の意見交換を大切にし、多様な視点で考えられるようにする。

個別対応の工夫

  • 防災への意識が低い児童には、身近な例(家の中の安全点検など)から考えさせる。
  • 福祉に関心のある児童には、社会福祉の仕事やボランティア活動を紹介する。

5. 授業の工夫例

体験型学習を取り入れる

  • 避難所シミュレーション:どんな問題が起こるかを考え、解決策を話し合う。
  • 手話や点字を学ぶ:「目が見えない人とどうやってコミュニケーションをとる?」を体験する。
  • 防災グッズ作り:簡単な防災グッズ(新聞スリッパ、ビニール袋ポンチョなど)を作成する。

地域とつながる学習

  • 消防署・福祉施設見学:実際に働く人に話を聞き、仕事の役割を学ぶ。
  • 地域の防災マップ作り:町の危険な場所や避難所を地図にまとめる。
  • 地域の人と意見交換:「どんな防災・福祉の工夫をしている?」をインタビューする。

ICTを活用する

  • 防災シミュレーションアプリを使い、災害時の対応を学ぶ。
  • オンラインで全国の防災活動を調べる
  • 動画教材を活用して、実際の災害時の映像から学ぶ。

まとめ

防災と福祉の授業では、児童が「自分のいのちを守る方法」と「助け合うことの大切さ」を学ぶことが重要です。実際の体験を通じて考え、自分ごととして意識できるような授業を展開しましょう。